約 1,765,766 件
https://w.atwiki.jp/rozenrock/pages/471.html
Story ID 89JHlyHYO 氏(109th take) ブーン…ブーン… 「もぅ…何よぉ……朝っぱらから……」 携帯の着信。私はベッドから起き上がり、寝ぼけ眼で電話に出た。 「もしもしぃ?…」 『もしもし。おはようかしら。やっと起きたかしら』 相手はRozen Maidenマネージャー金糸雀。 『今日は今から取材があるかしら』 「分かってるわよぉ…」 『早く支度しておくかしら。時間までに迎えが行くから、ちゃんと遅刻しないで来るかしら』 「はいはぁい…」 金糸雀もマメねぇ… 仕事だから仕方ないけど。 私は電話を切ると、シャワーを浴びる。 一気に目が覚めた。 朝食は摂る気にならない… しかし、これだけは欠かせないわぁ。 そう……ヤクルト! 私は毎日飲んでいる。 「ごく…ごく……ぷはぁ…!」 やっぱり朝一の乳酸菌はイイわぁ! 支度を終え、迎えの車に乗り込む。 そういえば、今日は私と雛苺という珍しい組み合わせでの取材。 今日は“パンピーなローゼンメイデン"っていうコンセプトらしい。 なかなか目の付け所が違うというか…… 企画を考えたのは向こうの雑誌のライターさん。 インディーズの頃から私達に注目してくれていて、付き合いも長い。ローゼンのことをよく理解してくれている… 信頼して仕事が出来る相手。 ちょっと変な人だけどぉ… 現場に着くと、雛苺がすでに待っていた。 「おはよう。雛苺ぉ」 私は少し気怠そうに言った。 「おはよーなのー!水銀燈!」 「朝から元気ねぇ……」 と、ここで私はある異変に気付いた。 いつもなら、もう一人口やかましくて元気なのが出迎えるはずよぉ? でも、いない…… 「あらぁ?そういえばぁ、金糸雀はぁ?」 「それがまだ来てないみたいなのよー」 そんなのありぃ? 「あの子……私にあれだけ言っておきながら自分が遅れてるのぉ?………」 来たらどんな辱めにあわせてやろうかしらぁ…… 撮影のため、メイクを始める。衣裳はいつものような暑苦しいのじゃなくて、私服に近い感じだった。 そして、メイクを終えても金糸雀は一向に来る気配が無い。 流石に心配になって雛苺が直に電話したけど、それにも出なかった。 雛苺はさらにスタジオにいる真紅にも電話したが、そこにもいないらしい… 本当に何かあったのかしらぁ…… と、思慮を巡らせていると 「ぐっもーにん!!エビバディー!!」 ………っ! 「………っ!」 スタジオ中に響く聞き覚えのある男の声。 私達はその声を聞いた瞬間、絶句した…… 今までの思考が停止してしまった。 その声の主は…… 「Oh!ヒナちゃん!銀ちゃん!逢いたかったyoー!」 我がRozen Maidenが所属する事務所“N'sレーベル"社長、槐社長その人だった… これは悪夢だわぁ… 社長は私達の姿を見つけるや否や、まず雛苺に抱きついてきた。 「Oh!ヒナちゃん!銀ちゃん!逢いたかったyoー!」 次に私を抱きしめようと視線をこちらに移してきたので、私は思い切り殺意を込めて見つめ返してあげた。 やったら、ただじゃおかないからぁ……! すると、私の念が通じたのか抱きしめては来なかった。 その代わり、無駄に爽やかなアイドル張りのウィンクを返してきた。 なんなんだ…… 「なんで社長がここにいるのぉ?……」 聞けば社長は日々忙しい金糸雀に休みを与えて代わりに自分がマネージャーとしてやってきたと言った… 金糸雀ぁ……帰ったら折檻だけじゃすまないわよぉ……! 突然の社長の登場で、現場は異様な緊張感に包まれた。 そんな中、撮影は順調に進んでいき…… 「はい!OKでーす!」 「お疲れ様でした~」 ここですんなり終わるはずだった… 「今日はいつもと違う感じで面白いのー」 「そうねぇ。雛苺とペアっていうのも新鮮だし、衣装もラフな感じだしぃ」 私は一服しようと煙草を取り出し火を点けた。 「おいおい、これで終わりかい?どうせなら、もっとDangerousなことをしようyo!」 「そう言われましても……」(スタッフ) 何やら社長とスタッフの困った声が聞こえる。 頼むから大人しくしてて頂戴よぉ…… 「ちょっと社長、何がしたいのよぉ?困ってるじゃなあい皆」 私は煙を吐きながら社長に言った。 「なんでも、今回のコンセプトは“パンピーなローゼンメイデン"というじゃないか」 「はい、そうですけど…」(スタッフ) 「だったらもっと、庶民的な画が欲しいと思わないかい?!」 「はぁ……」(スタッフ) 「あのぉ、この人無視しちゃっていいわよぉ?次、いきましょう……」 「Wait!銀ちゃん。待ってくれ……」 なんで一回英語で言ったのぉ…? 「なんなのぉ?…いい加減にしなさいよ、社長」 「そうだ!!いいIdeaを思いついたyo!」 社長は手をポンと付いて声をあげた。 「……な、何よぉ……?」 恐る恐る私は訊いた。 現場にいた皆の視線が社長に集中する。 そして、次の瞬間私達は思いも寄らぬ言葉を耳にした…… 私達は取材を終え、なんとか無事にスタジオに帰ってこれた。 …え?あの後社長が何を言ったかって? そんなことは忘れなさい! あれは私の記憶から消したのよ。 あってはならないのぉ。 私の歴史から無かったことにするのよぉ… なんで私があんなこと……… あぁ、思い出しただけでも寒気がするわぁ… だから皆も忘れなさい。これ以上私を疲れさせたくないのならぁ…分かったぁ? 「ただいまなの~……」 「お疲れ様ぁ……」 私と雛苺は荷物を手に下げていた。社長が最後に大量のヤクルトと苺大福をくれた。 言っとくけど、これだけで今日のフォローになってると思ったら大間違いよ、社長。 「銀ちゃん……おかえり」 ばらすぃーがまず私の所へ歩いてきた。 「ただいまぁ……」 「あ!トランプしてるのよー」 「トランプぅ?…」 私は眉をしかめ雛苺の指差すテーブルの上に視線を向けた。 そこには私のくんくんトランプが、いかにも今ゲームが終わったという感じに山札と手札が置かれ、 それを翠星石が崩して混ぜようとしていた。 「……あなた達……」 いい度胸ねぇ… 私があんなに辛い仕事をしてきたっていうのに、あなた達は呑気にトランプ~? 見ればそこには、私をあんな目にあわせた原因の一人、金糸雀の姿もしっかりと在った。 まさか…あなたまで遊んでるなんてぇ…… さあて、どんなお仕置きをしてあげようかしらぁ…… 私は金糸雀に歩み寄ろうとした。 しかし、私は動きを止められた。 「銀ちゃん……こっち来て…」 ばらすぃ。 ばらすぃーが私の服の裾を引っ張ってくる。 「え?ちょっとぉ…待ってよ、ばらすぃー…」 「来て……」 なんて強い力なのぉ…! 私の意志を無視して、無理矢理ばらすぃーが私を連れて来た場所は、ピアノの置いてある彼女専用の部屋だった。 「どうしたのぉ?…」 私は疲れきった声で訊いた。 「曲が…出来たの……聴いて欲しい……」 突然ねぇ…… まぁこの子の場合いつも突然だから慣れてるけど… 「…分かったわぁ……」 私は溜息をつきつつ側にある椅子に腰掛けた。 ばらすぃーもピアノの前に座り、曲を弾く態勢に入った。 演奏が始まる。 私は目を閉じ音に集中した。 ~♪~~♪~~♪ 何?……この旋律… 身体が徐々に光に包まれていく浮遊感… ゆったりとしっかりと音が波紋の様に心に響き渡っていく… ~♪~~♪~~♪ すでに私はさっきまでの怒りや疲れをすっかり忘れ去っていた… ~♪~~♪~~♪ ばらすぃーの指が奏でるそれは、正に癒しのメロディだった。 演奏終了。 気付けば私は目から涙を零していた… 「銀ちゃん……」 彼女は私の顔を見て、少し驚いているよう。 「……凄いわぁ…」 パチパチパチ… 私は手を叩く。 感動した…… この私をここまで癒やせるばらすぃーは凄い… 本当に凄い…! 私の中に溜まっていた汚いものが一気に浄化された気がする。 私は涙を拭って言った。 「この曲、私が詩を書いてもいいかしらぁ?」 「うん……銀ちゃんに…書いて欲しい…」 「ありがとう…好きよぉ、ばらすぃー」 私はばらすぃーを引き寄せて、その白い頬に軽く… 「ちゅっ……」 口付けた。 「銀ちゃん……大胆……」 ありがとう…ばらすぃー その後、気分を良くした私はトランプに参加した。 金糸雀は不思議そうに私の顔色を伺っていたけど気にしない。 ばらすぃーに感謝しときなさぁい金糸雀。 最終的に真紅や衣装合わせで来ていたJUMも加わってローゼントランプ大会となってしまい、仕事そっちのけで盛り上がった。 ま、こういうのも悪くないわねぇ…ふふふ その夜… 私とばらすぃーはスタジオに残り未だトランプをしていた。 していたって言うより、してもらっている… そう、何故か今日はどうやってもばらすぃーに勝てない…… 一体どういうことぉ? この私が負けたまま帰るわけにはいかないわぁ…! 「銀ちゃん……まだやるの?……」 諦めて、というような表情でばらすぃーは言う。 「当たり前よぉ!このまま負けて終われないわぁ……もう一回よぉ」 勝負しているのはスピード。 そう他のゲームならまだしも、速さで人に負けるなんて許されないのよぉ…… 「あぁ!また負けたわぁ……もう一回よ!!」 今度こそぉ…! スパスパスパっ!(←カードを置いていく音) イケる!…これなら勝てるわぁ! スパスパスパっ! 2!…3!…2!…1!…13! 「やっと勝ったわぁ!!」 私は思い切り我が勝利を喜んだ。 ばらすぃーは、一体なんで?というはてな顔をしていた。 水銀燈をナメないでちょうだあい… 「うふふふ…これでスッキリして帰れるわぁ」 ふと時計を見ると日付が変わっていた。 「あらぁ……もうてっぺん過ぎてたのねぇ…」 満足した私はスタジオを出て、ばらすぃーと別れ帰途に着いた。 そして、シャワーを浴び気持ち良く眠りに就いたのだった。 翌日…… “今日は負ける気がしないわぁ" 朝起きた時、なんとなくそう思った…… 短編連作SS保管庫へ
https://w.atwiki.jp/rozenrock/pages/446.html
「サンタさんにお願い」 Lyric ID ajgt7jIY0 氏(104th take) 翠「うぅ~、やっぱり11月にもなると寒くなってきやがったですぅ」 真「そうね、ここ数日でだいぶ寒くなってきたのだわ」 銀「それにあと1ヶ月ちょいでクリスマスねぇ~」 薔「………??」 蒼「クリスマスかぁ、僕達も何かクリスマスソングを作ってみたね」 雛「ヒナはカワイイ曲がいいの~」 薔「………?」 金「じゃ、作ってみるかしら~」 薔「………!!」 そして数日後、ローゼンメイデンが利用するスタジオから綺麗な曲が流れている。 真「あら、綺麗なメロディーね。ベルの音色も入ってクリスマスにピッタリだわ」 翠「イイ感じの曲ですぅ~こればらしーが作ったですかぁ?」 薔「……はい、私が作りました」 銀「この曲は決まりねぇ~、この詞は真紅が書くぅ?」 真「そうね、私でもいいけど翠星石、今回は貴女が書いてみては?」 翠「翠星石がですぅ~?うまくメロディーに合う詞が書けるか解らないですぅ」 薔「……その点は大丈夫です…詞も考えてきました」 銀「…い、一応聞くけどコンセプトはクリスマスよねぇ?」 薔「はい、今回の詞は…私の実体験を…元に書きました」 翠「……(ばらしーの実体験、こ、怖い予感がするですぅ)…」 「サンタさんにお願い」 Lyric Music 薔薇水晶 街を飾る街路樹 輝きだして 見上げるXマスツリーに私の目は三角形よ 肩寄せ歩く恋人たちに紛れて 一人帰るワンルームマンションは四角形よ 寂しさ紛らわす夕食は豪華に イワシの缶詰 床にこぼして臭かったの お願いサンタさん私に消臭スプレーちょうだい 消えてほしい思い出はイワシの香り TVつけると流れるXマスキャロルに涙して 一人でケーキを食べたら胸焼した お願いサンタさん私に胃薬ちょうだい 消えてほしいムカつきにはキャベジンよ 日付変わると降りだす雪と 部屋の片隅 小さなツリーについた綿の雪 灯るライトが漏電するよ 飛び散る火花は恋物語 赤いお鼻のトナカイ発火した 溶けていくサンタも燃えて あの日の恋と同じなの 鳴り出す火災報知器ジングルベル お願いサンタさん私に消火器ちょうだい 消えてほしい炎は天上焦がすサイレントナイト きらめくランプに消防車 電化製品水浸しよ 恋に涙流したあの日のように お願い大家さんそんなに泣かないで 可愛そうなのはネロとパトラッシュのほうね お願い刑事さん私を取り調べないで カツ丼より天丼のほうが好きな今夜はホーリーナイト 銀「ちょ、ばらしー?これ貴女の実体験なのぉ…?」 薔「はい……3年前のイブでした」 真・銀・翠「……(この歌は痛過ぎるわ)」 薔「ところで…今年のクリスマスは…みんなでパーティーをしましょう」 真・銀・翠「はぁ?」 薔「この間…可愛いクリスマスツリーを買いました(エヘッ♡)」 真・銀・翠「えぇぇぇッッッ!!!」 結局このクリスマスソングは歌詞を大幅に書き換えられてリリースされた。 透き通ったベルの音色から始まり真紅がアカペラで歌い始めるこの曲は薔薇水晶の 洗礼された美しいメロディーと相まって大ヒットし、その後何年たってもクリスマス 時期には必ずどこかで耳にするほどの名曲となった。 しかしそんな名曲の裏には薔薇水晶にマンションを燃やされて泣いた人がいることなど ごく限られた一部の人間だけしかしらないのであった。 短編連作SS保管庫へ
https://w.atwiki.jp/irosuma_doujinshi/pages/1269.html
この世界も含め、空想世界を今度こそ、ぶっ壊してやる! 概要 クラバトの敵キャラクター。 外見は白衣と右目を隠す額帯鏡が特徴のマッドサイエンティスト。 クラバトのみならず、他のイロスマ同人誌にも登場する事が多い諸悪の根源ともいえる人物。 イロスマではフィンターの手によって復活した空想世界のボスキャラ軍団であるアイスドールの一員として登場した。 人物 一人称は「俺」 空想世界の破壊を目的とする冷酷な野心家であり、その為ならば手段を選ばない悪辣な性格。 イロスマ最終章でアイスドールとして再登場した際はアイスドール達のリーダー格として振る舞っており、一斉攻撃でイロスマメンバーを倒そうと考えたり、空想世界のメンバーを抹殺を優先するなど狡猾さと計算高さはピカイチ。 作者のお気に入りなためか他同人誌のキャラと比べてもあまりキャラ崩壊していない しかし、思い通りにならないと激昂する短気な面もあり、空想世界のメンバーに倒されたムービーゲームのスプーンを蹴飛ばした事も。 アイスドールの核を破壊されると倒されてしまう事を良く理解しており、作中では倒されそうになった仲間を援護するサポーターとしても優秀。 クラバトの主人公であるライトとは因縁の仲らしい。 また、仲間のアイスドールにもいくらか仲間意識はあったらしく、山中が倒された時には少しばかり動揺する様も見せた。 補足 イロスマX5章に登場したウサギシが仕事の依頼をしたマッドサイエンティストは、Dr.ガイとシルエットが酷似している。 技 ダークサイド 額帯鏡から強力な破壊光線を発射する。 アイスドールに倒されそうになる仲間を援護するなど、味方を巻き込まないように範囲を調節している。 作中での活躍 イロスマEX 初登場はSm10章のシーン13。 カンタローとの長い死闘により、徐々に自分が押されていると実感したフィンターが、自分の代わりに戦わせる援軍としてDr.ガイを始めとしたアイスドールたちを召喚。 レイドラに吐き出されカンタローの前に対峙したDr.ガイは、最初は高圧的に命令してくるフィンターに反発していたものの、呪いの氷の力により逆らうことができず、彼の能力で無理矢理体を操られカンタローと戦わされることに。 カンタローの斬撃で体を破壊されてもすぐに再生するタフネスや数の差もあってジワジワとカンタローを追い詰めていたが、カンタローの天井を崩し瓦礫を降らせる機転により押しつぶされ一時動きを封じられる。 しかしそれだけの攻撃を喰らってもアイスドールの特性もあってかダメージは皆無。 イロスマメンバーがレイドラに勝利し、カンタローに攻撃を喰らったことでブチギレて本気を出したフィンターの命令ですぐさま瓦礫を押し除けカンタローに「ダークサイド」で大ダメージを与えた。 フィンターの究極奥義でカンタローが死亡したその後は、イロスマメンバーが致命傷を負ったフィンターにとどめを刺そうとするのを阻止し、スカラベに連れられてその場を後にした。 次の登場はSm最終章のシーン8。 フィンターの命令によってイロスマメンバーの足止めをする8ボスのアイスドールに加勢させるため、マジックンを通して他のラスボスたちと共に再び召喚された。 彼曰く10章では見ず知らずの他人であるカンタローと戦わされたためやる気が出なかったらしく、クラバトで彼の野望を阻止したバートたちには打って変わってバチバチに戦意をたぎらせていたが、イロスマのバートたちには認識されていなかった。 イロスマメンバーとの戦いでは倒されそうになったシャドーを援護したりアイスドール全員での連携攻撃を提案するなどリーダーシップを発揮。 協力してナケットとヘルプマンを撃破し、残ったイロスマメンバーももう一度合体攻撃を使い殲滅しようとしたが、寸前でマスターバートが召喚した同人誌キャラたちの攻撃で妨害されてしまった。 イロスマメンバーを援護するため呼び出された同人誌キャラの軍勢の中に宿敵であるライトの姿を見つけテンションが上がったDr.ガイは、イロスマメンバーが同人誌キャラにその場を任せ先へ進んでしまうことを確認しても「向こうから戦力(イロスマメンバー)を分散させてくれたので余裕(要約)」という考えのもと彼らをあえて放置し、マジックンに呼びかけ空想世界の雑魚敵を大量に出現させ同人誌キャラとの戦いに移った。 戦いが始まった当初は「ダークサイド」でやられそうになったムービーゲームを援護したり同人誌キャラを一気に攻撃するなど堅実に立ち回っていたものの、気にかけていたマジックンやDr.ヲタローがやられてしまったことで徐々に形勢が同人誌キャラの方に傾き始める。 自分語りばかりして戦わないムービーゲームには強い苛立ちを見せ、結局舐めプしてる間に彼が倒されてしまった際には残ったスプーンを踏み砕きマジギレした。 ぐっ、この… 役立たずがぁ!!それにしても… 何なんだぁこの流れ?気に入らねぇ…!} そして次はとうとう宿敵であるライトと正面対決することに。唐突に『イロスマライト』に変身したライトの攻撃を喰らっても、すぐに再生し彼を見下していたが、ライトが変身したことにより強化された『ライトプリズム』の直撃を喰らうとあっという間に形勢が逆転。 結果、Dr.ガイの体にライトプリズムを貫通させられたことを皮切りに、それを利用した『一本釣り』攻撃によりガイの体が空中に吹っ飛ばされ、ライトが投げた大乱刀の直撃をモロに喰らってしまい 最期はライトの渾身のキック攻撃で体内のソウルアイス諸共身体を破壊され、魂が抜け出るかのような演出が行われるとともにあの世へ逆戻りとなった。 クッ、クッソォォ!! またしても!何故!何故だぁああ!! アイスドールの中では5番目の脱落者となった。ところどころで存在感を出していた彼にしては早い退場だったかもしれない。
https://w.atwiki.jp/wiki6_rozen/pages/2.html
メニュー トップページ 大体の流れ? LINK
https://w.atwiki.jp/rozenrock/pages/1467.html
Story 酔いman 氏 時間は午後に差しかかる頃だろうか、私は空を見上げてみた。 今にも雨が降ってきそうな色合いをしている。真っ白だ。 こうして目前に広がる海も山も真っ白に覆われている。ただ大きな橋を渡っていく車の テールランプが乳白色に覆われた海の向こうに人が住む陸地があることだけを教えてくれる。 風も無い白い霧に覆われた海から汽笛が1つ2つと聞こえてくる。 私の足元をほんの1時間ほど前まで激しく降っていた雨水が音を立てて側溝を流れ、色が消えた海へと 注がれていく。小さな泡が海面で生まれ、そして音も無く弾けて雨水は母なる海へと同化していく。 私はその一連の流れをこの色の消えた街でただぼんやりと見ていた。 きっと足元を流れていく雨水はあの街から悲しみや虚しさなどを海へと流しているんだと思うと 自分らしくないセンチメンタルな考えに少し笑いがこみ上げてきた。 「ふふっ、らしく無いわねぇ…」」 出した声は海へと注がれていく雨水より小さく、そして弱く、この白い霧の中へと消えていく。 私は止めていた足を退屈が蔓延しているだけの学校へと向けてなんら意味を持たないような虚ろな 足取りで歩き始めた。 ちょっと前に小降りになった雨はよく見ないと雨なのか霧なのか分からないね。 たぶんこの静かな教室でそんな外の変化に気付いたのは私だけだよ。 先生が黒板に書いた文字を真面目にノートに写しても、数学の公式なんて分からないもん。 いちおう教科書とノートは広げてるけど、教科書のページは30分前から進んでないよ。えへへ。 薔薇水晶は静かな教室の中でチョークが黒板に当たる音から逃れるように意識を学校の外に向けていた。 そこは白く曇った細い霧雨が音も無くしたたり落ちている。それはまるで音の消えた無音の世界にも見えた。 校門の前をワイパーを動かしながら通過していく白い車、電線から飛び立つ小鳥さん。 あの小鳥さんはきっと雨の向こうに飛んでいったのかなぁ? 白く曇った空が私の大好きな海を隠しているね。きっと小鳥さんはその海の向こうの島に 行っちゃったんだね………あれぇ、あの人は? 白い霧状の雨の中を傘もささずに1人の少女がフラリと校門から入ってくる。 長い髪の毛を濡らしている。その銀色の頭髪がまた周囲の色と同化しているのか、それとも力なく 歩く彼女がそう見せているのか、とにかくその少女は美しさと言うよりも、幽玄に近い雰囲気が感じられた。 ふんっ……まだお昼休みじゃないみたいだわぁ 静まり返った校舎に入った水銀燈は濡れたと言うよりも、霧雨で湿った髪をかき上げると、次に制服に 付着している雨粒をパッパッとはらう。 まぁ、この暑さならすぐに乾くわねぇ スカートの表面についた水滴を両手で払いのけながら、今は誰も使っていない文芸部のドアを開けて 中に入る。そこは美術室の隣にあるため、石膏で出来た胸像や、卒業生が残していった油絵などが 壁際に置かれている。ただ元文芸部だったという名残はスチール製の安っぽい本棚が3つだけ。 その本棚に隠れるように床に座ると、ポケットから携帯音楽プレーヤーを取り出す。 イヤホンをねじ込むように耳に入れ、ボタンを押す。 ~~~♪♪ ~~~☆♪♪ ~~~♪ ~~☆~~♪ 朝起きたら酷い頭痛がした。このまま学校を休んでやろうかと思ったけれど何となく足は学校へと 向かっていた。途中で自分らしくない思いに少し笑ったけど、こうして学校に来ても誰も居ない 文芸部の部屋の隅で世間から隠れるよう身を小さくしてる。 これだと自宅の部屋でいるのと変わらない。外を見ても今日は色が消えた白い世界だ。 空気すら重さを感じるくらいジメッとしている。だけど私はこの曲を聴いている時だけは一人じゃない みたい。私なんかとは住む世界が違う憧れのミュージシャン、お気に入りのロックバンド、ローゼン メイデンの真紅の唄を聴いている時だけ心が弾みだす。そうだ、もっと大きく、もっと深く感じたい。 ーーーー♪ーーーー♪♪ ーーーーー!?ーーーー♪♪ ーーーー♪ーーーー♪♪ -----!?----♪♪ ボリュームを上げる毎に水銀燈の意識は退屈から離れていく。立てた膝の上で指が踊りだす。 先ほどの憂鬱さもどこかに消え、水銀燈の中で街に色彩が戻ってきた。 ふむむむっ…あと3分……2分…もうすぐチャイムだぁ 午前の授業が昼休みのチャイムと共に過去になると、教室の中は一気に騒がしくなった。 「ねぇ、私のお弁当と交換しない?」 「いいよ~。でも私のお弁当、コンビニ弁当だよ」 「えぇ、マジぃ?」 「マジマジ、今朝ちょっと寝坊しちゃって~~」 そんな声を背中に薔薇水晶は鞄から小さなランチボックスを出すと、飛び交う声を避けるように 教室から出て行こうとする。 「寝坊って、どうせ彼氏と一緒にいたんじゃないの~?」 「あれ? 分かった? アハハハ~~。あっ、ちょっとぉ~、お茶をこぼすところだった じゃない。気をつけてよね~?」 「…あっ…う……ゴ、ゴメンなさい……」 机を寄せあって座るグループの後ろを通りかかった薔薇水晶は女生徒の背中に軽く接触してしまった。 その女生徒は振り向きながら、やや眉を吊り上げた表情で注意を促す。それに対して薔薇水晶は視線 を落としながら小さな声で謝り、足早に教室を出て行った。 …むぅ……お腹ペコペコだぁ…… 薔薇水晶は人を避けながら廊下の窓際を歩き、そのまま階段を下りていく。美術室の前を通り抜け、 となりの誰も使用していない文芸部の部室へと入っていった。 今日のお昼は…お、おにぎりと、から揚げだぁ、タコさんウインナーも入ってるもん…えへへへ 埃で薄汚れた白いカーテンに閉ざされた文芸部の部室は今日みたいな雨空ではより暗く、陰湿な雰囲気 すら感じられる。しかし、他の人とうまく接することが苦手な薔薇水晶にとってこの部屋にいるほうが 気が楽なのだろう。床にペタンと座った薔薇水晶は両手を合わせて小さくペコリと頭を下げた。 「いただきます……」 おにぎりとウインナーを交互に口へ運ぶと、とたんに小さな頬はハムスターのように膨れた。 …むぐっ、ん…ん…もぐもぐ………ごっくん………むむぅ、お茶、買ってくるの忘れちゃった……あれ? 口いっぱいに頬張っていたものを飲み込んだ薔薇水晶の耳に聞き覚えのあるメロディーが微かに聞こえた。 始めはキョトンとしていた薔薇水晶だったが、そのメロディーがどこから聞こえてくるのか探しだす。 床に座ったままキョロキョロと首を動かしてみると、どうやら本棚のほうから聞こえてくるようだ。 ん~~?……えぇ~っと……… ここからでは音源は本棚で見えない。薔薇水晶は食べかけのお弁当をそのままにして、近づいてみた。 ーーーー♪ーーーー♪♪ ーーーーー!?ーーーー♪♪ ーーーー♪ーーーー♪♪ -----!?----♪♪ あっ、この曲、知ってるよ…ロ、ローゼンメイデンだ…映画の主題歌になってる曲だー。 だ、誰が聴いているのかなぁ……? 本棚の陰から微かに聞こえてくるローゼンメイデンの曲に薔薇水晶はニコリと笑いながら、誰が聴いている のか確かめずにはいられなかった。そっとすり足で近づいた薔薇水晶は身をかがめて本棚の奥を見てみる。 あ、あれ? あの人は……う、うわぁぁ、す、水銀燈だぁー……… 本棚の奥には壁に背中をひっつけて座っている水銀燈の姿があった。長い銀髪を霧雨で濡らした水銀燈は 抱えた膝に顔を埋めている。一瞬泣いているように見えたが、長い髪の切れ間から覗く水銀燈の口元は 小さな笑みを作っている。立てた膝の上で細い指がトントンとリズムを刻んでいる。 …あれぇ? 泣いてないやぁ…… 本棚の陰から覗く薔薇水晶は普段では見ない水銀燈の笑顔を珍しさの眼で見ている。 それもそのはず、水銀燈という女性は意識してなのか、それとも普段からそのような雰囲気を持っている のか、とにかくクラスだけでなく学年を通して他の生徒との関わりを拒絶しているようなところがあった。 艶やかな銀色のロングヘアーに、どこか冷めた突き刺すような瞳。 口数は少なく、たまに話すと人を小バカにしたような口調も飛び出す。そんな水銀燈は見た目には ハッと息を呑む美しさをもっているが、それは10代の少女がもつ可愛らしさとは違ったものである。 よって何時からなのか、それとも始めからなのか、とにかく水銀燈は一人でいることが多かった。 当然、薔薇水晶も水銀燈と関わりをもったことはないし、持とうとは思っていなかった。 とにかく薔薇水晶にとって水銀燈とは怖い人というイメージしかもっていないのである。 …す、水銀燈も笑うんだ……でも… イヤホンから洩れるローゼンメイデンの曲と、抱えた膝に隠れた水銀燈の笑みは薔薇水晶には どこか寂しく映り、いつもの怖いイメージしかない水銀燈が少しだけ身近に感じた。 ton ton ~♪ ton ton ton ~~♪ 水銀燈の指はローゼンメイデンの軽快なメロディーを体現するかのように軽やかにリズムを取っている。 薔薇水晶は本棚から顔をチラッと覗かせていたのが、いつの間にか体が半分ほど本棚の陰から出ていた。 ガタンッ パタパタッ バサッ!! 無意識に伸ばした薔薇水晶の手が本棚に触れると、申し訳程度でしか立てかけられていない数冊の本が ドミノのように倒れ、A4サイズほどの本が床に落ちた。 …あぁぁ!? ん? 何、なんなのぉ? 本が落ちたことで床に積もっていた埃が四方の宙を漂う。 そんな中、水銀燈は耳にはめたイヤホンを抜くと、膝にうずめていた顔をゆっくり持ち上げる。 「誰ぇ?」 先ほどまで笑みを浮かべていた顔は消え、今はジロリと薔薇水晶を見据えている。 水銀燈の冷たい視線をうけた薔薇水晶の顔は驚きを通り越し、いまにも泣きそうになった。 「あなた誰よ? 私になにか用なのぉ?」 「…あっ……あぅ…むぅ………」 「はぁ? なに言ってるか解かんないわぁ、はっきり喋りなさい」 「…うぅ……わ、私は……ば……ば、ばら……すいしょう……」 「ふぅ~ん、で、その薔薇水晶が私になにか用でもあるの?」 「…えっ……い、いや……うぅ……べ、別にない…です」 「何もないのにどうしてここに居るのよぉ?」 「…うぅ、お、お昼………」 「はぁ? お昼がどうしたのよぉ~?」 どもりがちな薔薇水晶の口調が気に障ったのか水銀燈は顔にかかる湿った前髪を指で すくう様にかき分け、薔薇水晶の目を見つめたままフラリと立ち上がる。 それを見た薔薇水晶はなおもどもりながら2歩3歩と後ろに下がった。 「だからお昼がどうしたのよぉ? はっきり言いなさいよぉ」 「……た、食べる……た、タコさん…………ウインナー……」 「はぁ? マジ意味がわかんないんだけどぉ~? もしかして私をバカにしてるのぉ?」 「……あぅ………ち、ちが……」 水銀燈の足が1歩前へ出るごとに薔薇水晶は2歩3歩と下がる。ほんの数秒ほどで、さほど 広くない文芸部の部室のほぼ真ん中あたりまで下がった薔薇水晶は目に涙を浮かべながら小さく つぶやいた。 「……ご、ごめんなさい……」 「はぁ、なに謝ってん」 「…ごめんなさい、ごめんなさい…ごめんなさい」 「ちょ、ちょっとぉ、なに泣いて」 水銀燈が言い終わるまえに薔薇水晶は部室入り口まで下がると、最後に消え入りそうな声で 「ごめんなさい」とだけ言うと駆け足で出て行った。 「ったく、いったい何んなのよぉ。いきなり泣き出して…」 かきあげた前髪がまた音もなく顔にかかる。一人でドアが閉まった部室の入り口をじっと見る。 ほんの少し前まで水銀燈の中で蘇っていた色彩が急速に色合いが薄らいでゆく。 また乳白色に覆われた今日の空模様のように無機質で透明な虚無感にも似た感情が広がっていく。 そんな水銀燈の視界に何やら広げた食べかけのランチボックスが映った。 おにぎりが2つ、から揚げが3つ、そしてタコの形をしたウインナーだけが不思議と色合いを残している。 「ちッ……」 小さく舌打ちした水銀燈は、かろうじて色彩が残ったランチボックスをただ無性に沸き起こる苛立ちを 感じたまま無言で見つめていた。 ど、どうしよう? 水銀燈を怒らせちゃった……叩かれるかな? どこかに呼び出されるかな? ト、トイレ? それとも…た、体育館の裏とか? こ、怖いよぉ……… その日の午後はそのような悩みばかりが薔薇水晶をより臆病にさせた。とりわけ休み時間中などは いつ水銀燈が呼びに来るのかと内心ビクビクしていた。 だが、そんな懸念もその日の授業が終わり、何事もなかったかのように家につくと、 自分の部屋のベッドの上で腰をかけ、ほっとしたのか、ゴロリと横になった薔薇水晶は 子猫のように丸くなって眠った。 ……ふぅむむぅ………私、寝ちゃってたみたい… 一時間ほど眠っていただろうか、薔薇水晶はベッドにちょこんと座り、足をブラブラさせながら 大きなアクビをする。 「ふあぁぁ~~あ………お腹すいたな………あッ!」 空腹感を覚えたと同時に何かを思い出した薔薇水晶はブラブラさせていた足を止めると、すぐに 部屋に放り出したままの鞄の中身を覗き込んだ。 「あぁ…お、お弁当箱……忘れてきちゃったみたい………」 床にペタンとお尻をつけた薔薇水晶は小さく「むむっ」っと唸りながら、文芸部の部室で起こった ことを思い出し、小さな声は悲観にくれた声に変わった。 「んん~……あ、あの時、忘れたんだ……」 水銀燈の冷たい眼を思い出した薔薇水晶は諦めにも取れるため息をハァ~と弁当箱の入っていない 鞄に向けてなげかけた。 ピピッ ピピッ ピピピピッ ピピピピピピピ~~~ 安っぽい電子音がじょじょに大きくなっていき、やがて焦りすら感じられるような 断続的に続く音に変わりだすと、薔薇水晶は「んん~」と小さく声に出し、半分ベッド からずり落ちている布団と一緒にゴロリと床に転げ落ちた。 「ふぅむむぅ……痛い………また落ちちゃった…」 冷たいフローリングの感触で夢から目を覚ますのは何度目だろう? ぶつけた頭を触りながら目覚まし時計のスイッチを切った薔薇水晶はそんなことを考えながら 大きく背伸びをし、カーテンを開ける。 む~ぅ……今日も天気が悪い… 昨日と同じ空がガラス窓の向こうに見える。ここ数日間は毎日こんな殺風景な空が広がっている。 梅雨でも無いのに大気の中にジメッとした湿度を感じる。きっとまた雨が降るんだ。 そう思った薔薇水晶は薄紫色の傘と、昨日よりいくぶん軽い鞄を持ち、学校へと向かった。 不思議と今朝の目覚めはさほど不快感もなくベッドから離れることができた。 だが、体はまだ寝足りないのか、おおきなアクビを1回、2回と続けて要求してくる。 そこで私は蛇口をひねり、冷たい水でそんな要求を打開することにした。 「ったく……らしくないわねぇ」 寝起きの顔をみるのは好きじゃない。どこか魂が不在のような表情だから。 でも濡れた顔が映る鏡の中の私は今日に限って何か変だ。 どう変なのか説明などできなが、少しだけ目が澄んで見えた。 その訳を考えると「らしくない」の言葉がポツリと漏れる。確か昨日も同じような 言葉を言った覚えがあるけれど、同じ言葉でも昨日と今日では少し違っている。 「フッ…本当にらしくないわぁ……」 制服に着替えた水銀燈は靴をはきながら声に出して言うと、ほんの数グラムほど 重くなった鞄をもって学校へと向かった。 「おはよう」 「おはようございます」 ありきたりの声が校門に近づくにつれて多く耳に入ってくる。 どうせ自分にはかかるはずのない挨拶を薔薇水晶は足早に通り過ぎ、 まだ賑わい始めるまえの校舎に入ると、教室がある上の階には行かず、人の気配が しない文芸部の前で中の音を探るようにドアに顔を近づけていた。 …だ、だれもいないみたい……よ、よし なるだけ音が出ないようにドアを開け、恐る恐る部室の中をみてみる。 ガランとした薄暗い室内、昨日と変わらない空間が広がっている。 …あぁ、私のお弁当箱がないよ……… 間違いなく昨日この部室に置き忘れてきた弁当箱がないのだ。 食べかけのオカズが入っている弁当箱がひとりでに消えるはずがない。 …き、きっとあの後に水銀燈が捨てちゃったんだ………ハッ!……もしか したら水銀燈、た、食べちゃったのかな? から揚げも、タコさんウインナーも 入ってたし………ど、どうしよう? 力なく部室のドアをしめた薔薇水晶はブツブツと独り言をいいながら教室に向かい、 席に着く頃には賑やかな会話が隣から、前から、後ろから聞こえてくる。 でも、そんな会話の中に薔薇水晶の声は入っていない。ただ好きでもない教科書を広げ、黙ってうつむいている。 だが、そんな薔薇水晶の表情はいたって楽しそうだ。 …んん…桑田さんはミから始まった……斉藤さんはソからだぁ…えへへ いつからだろう、薔薇水晶はヒマなときはいつも人の言葉、物の音などを音階で 聴きながら時間を潰していたのだ。 ピアノなど習ったことがない、楽器と呼べるものは幼い頃に授業で習った縦笛が部屋の 隅にあるだけ。物心がついた時には人の話し声が、風が窓をたたく音が、薔薇水晶の頭 の中で音階となって整理されていた。 ただ、薔薇水晶本人はこれが特別なこととは考えたことがない。 彼女にとって音階を感じ、聞くことはいたって普通の行いにすぎない。退屈な授業などは いつも何かの音をメロディーに変えて遊んでいる。 …あっ、チャイムが鳴った……もうすぐボサノバの時間だぁ ボサノバの時間とは歴史を教える教師の喋り方が薔薇水晶にはボサノバに聞こえるようで、 たしかに性格が明るめな歴史の教師はよく授業の話で脱線するときがある。しかし、その 教師と授業をボサノバと表現しているのは薔薇水晶だけであった。 コッコッ カッカッ 黒板をすべるチョークの音も薔薇水晶には軽やかなメロディーに聞こえる。 勉強という意味ではなく、音として歴史の授業は好きな分類にはいる。 数学などはただ眠いだけのバッハのゴールドベルク変奏曲にすぎない。 黒板から出る音階に合わせて薔薇水晶のペンもノートの上でボサノバを奏でて いるとき、廊下側にいる生徒が首を動かし、何かを追っていく。 …あっ、す、水銀燈だぁ…… そこには遅刻してきたであろう隣のクラスの水銀燈が何食わぬ顔でさっそうと 廊下を歩いている姿があった。 それを見た教師はチョークによるボサノバ演奏を止めると、廊下側の窓を開ける。 「おい、水銀燈。また遅刻か?」 そんな教師の言葉に水銀燈の足は止まり、ゆるりと肩から振り返った銀髪の顔は 面倒くさそうな表情で教師を見ている。 「だったらどうなのよぉ?」 それだけ言うと、振り向いた顔を元に戻しながらサラリと教室な中を流し見る。 怪訝な顔付き、水銀燈と目を合わせようとしない人、そんな幾人の中から窓際で こちらを見ている薔薇水晶の顔を発見した。 「クスッ」 口元だけで小さく笑う。 そしてまた面倒くさそうな足取りで廊下を歩いていった。 ……あ、あぁぁ、今、わ、私のほうを見てた……やっぱり昨日のこと怒ってるんだぁ… こ、怖いよぉ…… 薔薇水晶の中で軽やかなボサノバのメロディーがすっかり消えた時、となりの教室のドアが ガラリと音を立てて開く。 水銀燈が入っていったのだ。その水銀燈の表情はどこか楽しそうであった。 (以下執筆継続中) 短編SS保管庫へ
https://w.atwiki.jp/yarunaisen/pages/136.html
{ i y ハ 、 、 `ヽ ヘ ヽ ,′ i / ! ヽ ヽ ヾ i ト'、 } イ ,′ ( i ヾ 、 ヘ. \ ハ 人 八 ヽ / ノ| / ゞヽ ヾ 、 ハ リⅥノヽ) ハ ヽ } イ/ い ! i lヾ辷、 ヾ 、ト、 iノ)リⅥノ / ノ i ! ―― 衛生省・官僚 ―― |! ヽi ヽ 、 ヾハ. リ゙1、 } ヾ )ノ '" / ,イノ / ノ ヾ ヾ ハ ヽ ヽヾi ! `ソ '" /ィ'リ/ ,/ ノ ト、ヾ ミヾハノ l i ハソチ´ハj /ハ、ヽ-ミ ヽ ` ヾ,'い ;ヘヽ (" 廴ーャ≧ _ .一 /ノソ i リ `1 i\ ´ -‐ ' , (イ i[´ ヽハ、≧ュ、 /__辷! ` リイハ 丶、__ .〃´ `ヽ <=======================================> > ローゼン(ローゼンメイデンシリーズ) ・【属性】:官僚(右派・文官) ・【性格】:内向・思考 ・【能力系統】:調査系・補正系 ・【補正能力】:リーガルヒューミント+5% イリーガルヒューミント+10% モブ官僚たちの補正能力に自分と同様の補正をつける。 _______________________________ ・:【備考】 経歴がよくわからない官僚として知られる人物である。右派系官僚の中でも 大物扱いされている人物であり、年齢不詳。 彼が主催する『ローゼン・クロイツ』なる政治的秘密結社が存在するらしい……。 _______________________________ ・:【イベント能力】 ・『右派のストッパー』……右派系官僚たちが引き起こす大暴走を止める一つのストッパーとして 君臨している。ただし有料。暴走は2分の1で止める事が出来る。
https://w.atwiki.jp/purinpurinpurintin/pages/21.html
これは、スレ主の考えた話でござるかな? それでは、『ある広辞苑の一日』はじまり、はじまりでござる 私はローゼンメイデン10番目のドール、広辞苑(こうじえん) 最近になってお父様に作られ、そしてアリスゲームに参加すべく送り出されたの とは言っても……作られた際に入力された記憶があるだけで実際にお父様に会ったわけじゃないけど…… 正直な話、私はアリスなんてどうでも良い 私の目的はもっと別にあるの それは……私よりも良い声優を貰った真紅を倒すこと ていうかなんで私は若本ボイスなの? 人形とは言え私女よ!? なのにアナゴボイスよ!? 真紅は良い声優を貰ってずるい だから私がこの手で倒すの え、何セル? それは逆恨みだろう? やかましい さて、ここだったよね。真紅が下宿してる家は とりあえず庭の草むらで様子を見よう この草むらが丁度よさそ……ん? 『今日こそはローゼンメイデン一の策士のこの……』 …………あれ、先約? 困ったな、どうしよう…… あ、良い事考えた (持っていた飴を取り出し、近くにいるカラスに見せる) 「カァ?」 それ!(それをおもむろに草むらに投げる) これで良し、と 「カァー!」 『いやー!? なんなのかしら!? あ、また、またカラスなのかしらー!?』 よし、先客は一目散に逃げていった プリンプリンティン!!(口癖、主にテンションが上がった時に言うらしい) ちょっと悪いことしちゃったかな…… まぁいいや、とにかく真紅を見張ろう 見張りを続ける私 けど一向に真紅が弱点を見せる気配は無い ……ふぁあ、そろそろ飽きてきたなぁ ……あれ、真紅がソファに座りだした アレは…リモコンかな? 何か見てるのかな? なんだろう、もしかしたら弱点に繋がるかも よぉし……セル、侵入して真紅が何を観てるのか調べてきて え、めんどくさい? いいから行きなさい セルまだかしら…… あ、戻ってきた どうだったセル? え、どこも開いてなくて侵入できない? 役に立たないわね…… しょうがない、何処かの窓を蹴り破るしかなさそうね え、それなら私も一緒に侵入しろって? ……わかったわよ でも大丈夫かな……割れた音で家の人にばれないかしら ううん、弱気になっちゃダメだ私 そんなだから性格が超弱気って言われるのよね よし、行きましょうセル 一方その頃…… 「あ、あのカラス次あった時はボコボコにしてやるのかしら…! さて……」 真紅は一向に弱点を見せない、ならば…… 「侵入して一気に倒すしかないのかしらー!」 なるべくばれない様にしたいから窓はなるべく真紅から離れた所のがいいかな うん、ここがいいかな さて…… プリンプリンティーン! 私の掛け声と共に放った蹴りで窓ガラスは綺麗に割れた フフ、弱気な性格でもムエタイ使いは伊達じゃないわ 私は割れた窓から内部に侵入する でもあれ、ここって トイレ……? 嫌な所から侵入しちゃったなぁ…… まぁいいやとにかく侵入は成功した…………ん? 「なんの音かしら、騒々しいわね」 「どうせまた金糸雀が侵入しやがったんですぅ」 やば、真紅達にばれた 一旦引き返そ…………え? 「さーて、どこから侵入するのかしらー」 さ、さっきの先客の声だわ! どうしよう、両方ともこっちに向かってる どうしようどうしよう! 「あ、ココが開いてるかしら、無用心かしら」 ぎ、ぎりぎり間に合ったようね せ、狭い…… 「侵入成功かしらー」 ガチャ 「え?」 「ほら、やっぱり金糸雀だったんですぅ」 「何しに来たの? とりあえずその窓ガラス直しなさい」 「こ、ここで会ったが百年目、今日こそこのローゼンメイデンいt「直 し な さ い」…はい」 は、早くどこか行って…… 「お、終わったかしら……」 「そう、丁度くんくん探偵が始まる所よ、一緒に見る?」 「……しょ、しょうがないかしら、一緒に見てやるかしら」 「早く行くですぅ、始まってしまうですぅ」 バタン カパッ し、死ぬかと思った…… え、私がどこに隠れてたかって? そんなの文章から推理して、私の口からは言いたくないの ああ、帰ったらシャワー浴びないと、臭いし…… 『こ、この髪の毛は』 『重要な手がかりですなくんくん殿』 真紅達、何観てるのかと思ったらくんくん探偵じゃない…… なるほど、真紅もくんくん探偵が好きなのね これは良い情報だわ そうと決まったら行動かいs…… 『この髪の毛のおかげで犯人がわかったぞ!』 は、何夢中で見てるの私! 今度こそ行動k…… 『犯人は貴方です!』 ………… …… …誰なの!? 犯人は誰なの!? (そして1時間後……) 「やっぱりくんくん探偵は面白いですぅ」 「あ、もうこんな時間かしら、もう帰らないとみっちゃんが心配するのかしら」 「そう、気をつけて帰るのよ」 あ、つい見てしまったわ って、やば! 先客人形がこっちくるわ! さっさと目的を済ませて帰ろう! えっと、真紅の部屋は……ここかな? あ、鞄……! ここで間違いないわね ここが真紅の部屋ならきっとアレがあるはず あるはず……というかソレは直ぐに見つかった こんなに沢山あるなんて……これならダメージもでかそうね これで…よし、と さ、引き上げましょう え、何セル、それは泥棒だろ? 違うわあくまで真紅の精神に攻撃を加えるだけよ 『ただいまー皆仲良くしてたー?』 げ、一階から人間の声……! しょうがない、窓から出ましょう プリプリンティーン! よし、窓が割れたわ、脱出しましょ (そして……) マスター帰ってくるのおそいなぁ……また仕事長引いてるのかな? 今ごろ真紅はダメージを受けてる頃かしら、フフフ え、私が何をしたかって? それはね…… (桜田家) 「あぁ! 私のくんくん人形が全てなくなってるんだわ!?」 「うるさいぞ真紅」 くんくん人形を片っ端から盗……ここに運んできたの、精神ダメージは大のはずだわ え、何セル、単に自分が欲しかっただけでは? ち、ちがうわよ!! 確かにくんくんはかっこいいし頭もいいし勇敢だしエトセトラエトセトラだけど決して私利私欲で持ってきたんじゃないわ! な、何よその目(?)は! ~完~ なかなか短編の中では長い方であったでござる おまけがあったでござる -おまけ- え、なにセル?最後、窓は割らないで鍵あけて出ればよかったんでは? うるさいわ! 「ただいまー」 あ、マスター、おかえりなさいー 「キモい、近寄るな」 ひ、ひどい……
https://w.atwiki.jp/ifrozenteacherss/pages/663.html
薔薇水晶「もうすぐ、校長先生の誕生日だから。皆も何か贈って・・・・・・・・」 蒼星石「そう言えば・・・・・そうだね」 水銀燈「けど、その募金箱は何なの?」 薔薇水晶「『プレゼントを贈りたくても、今、持ち合わせが無い』という人のための物です。みんなでお金を出し合って、とびっきりのプレゼントを贈ろう、と・・・・・・・」 翠星石「へぇ~良い考えですね~けど・・・・・・・」 水銀燈「薔薇水晶・・・・・・・」 薔薇水晶「?」 二人「大の女性が、募金箱を持ち歩くなよー!変な誤解が出るぞ!!」 薔薇水晶「・・・・・それなら大丈夫。もし、そんな事になったら、こんな募金箱(もの)の世話にはならないから・・・・・・・・」 翠星石「言い切って、言ってくれるねぇ~奥さん~」 水銀燈(小声)「ねぇ・・・・・最近の薔薇水晶・・・・・・ちょっと変わったわね」 蒼星石(小声)「うん・・・・・・・そうだね。」 薔薇水晶「で、払うの?払わないの?」 蒼星石「僕は自分で贈るよ」 薔薇水晶「じゃぁ・・・・・・2人共、払って・・・・・・・・」 水銀燈「いや・・・・・・・そうしたいんだけど、今・・・・金欠で・・・・・・・」 翠星石「同じくですぅ」 薔薇水晶「払って・・・・・・・・・」(笑顔) 水銀燈「だって・・・・・・今、お金が・・・・・・(汗)」 翠星石「そ・・・・・そうですぅ・・・・お金を下ろさないと・・・・・(汗)」 薔薇水晶「・・・・・・・・・・・・払え。さもないと、頭と胴体を切り離すよv」(満面の笑顔) 二人「!!!!!!!!」(財布ごと、募金箱に入れる) 薔薇水晶「ありがとう。二人とも、本当に優しいんだね~vv」 そう言って、違う所に行く薔薇水晶 水銀燈「ああ・・・・・・・・今思ったけど、私って臆病者なのね・・・・・・」 翠星石「私のもですぅ・・・・・・・・今でも、身体が震えるですぅ・・・・・・・」 蒼星石「しょうがないよ・・・・・二人とも。アレは誰だって、勝てないよ・・・・・・・・」 当日・あるレストラン 薔薇水晶「はい。これ私からの、プレゼント」 ローゼン「ありがとう。薔薇ちゃん・・・・・・中身見ても良い?」 薔薇水晶「うん。」 ローゼン「どれどれ・・・・・・へぇ~猫の絵が入った、カップか・・・・ありがとう」 薔薇水晶「////////」(赤面) ローゼン「けど、僕の為に。レストランで食事まで・・・・・・良いの?結構。高いんじゃないの?」 薔薇水晶「大丈夫・・・・・学園の皆が、払ってくれたから・・・・・・・それと、皆からのプレゼント」 ローゼン「どれどれ・・・・・・って、高級の腕時計!?ねぇ、本当に良いの?」 薔薇水晶「うん・・・・・・親友二人(翠・水)が多く払ってくれたから・・・・・・・・・それで・・・・」 ローゼン「ありがとう・・・・・・けど、僕は君と一緒に居るだけでも、最高だよ」 薔薇水晶「//////////////」(頭から、湯気が出ている) ローゼン「そういう、顔も素敵だよ」 薔薇水晶「それに・・・・・・今晩は、お姉ちゃんも居ないし・・・・・今日はホテルで・・・・・」 ローゼン「いいよ」 薔薇水晶「!!!!!」(倒れた) ローゼン「あらら~しょうがない。ホテルに連れて行こう・・・・・・・(そして、今晩は寝かせないにしよう)」 ー終了ー
https://w.atwiki.jp/rozenmaidenhumanss/pages/3749.html
https://w.atwiki.jp/rozenrock/pages/721.html
紅「とりあえず、レコーディングを再開するのだわ!」 真紅の一言で我に返るメンバー達。 銀「……そうねぇ、私も大人気なさすぎたわぁ……」 金「カナも心を広く持つかしら……」 なにやら疲れている二人。いや、原因は判っているのだが……。 雛「録音再開なの~」 翠「元はといえばお前がヘンなことを言わなければ、です!!」 薔「……黒すぎるwwww」 蒼「いや、そこ笑うとこじゃないwww」 ツボのずれた二人が腹を抱えている。 もっとも、薔薇水晶はうつむいて笑うのを堪えている(つもりらしい)。 金「え~っと、手っ取り早く録音しちゃうかしら~」 全員所定の位置についたところで金糸雀がマシンのスイッチを入れる。 翠「はいですぅ、いくですよ!!」 翠星石がドラムを叩く。 蒼星石のベースが唸る。 水銀燈のギターと薔薇水晶の如雨露がうまく絡まる。 そこに真紅のボーカルと雛苺のコーラスが加わる。 曲はスムーズに出来上がった。 その後、翠星石と蒼星石だけが残り、台詞を入れる事となった。 二人が台詞パートを録音している間、 他のメンバー(金糸雀除く)は控え室にいた。 銀「あぁ、録音後のヤクルトは最高よぉ♪」 紅「録音後の紅茶も最高なのだわ」 この二人はどこに行っても飲む物が変わらない。 薔「……雛苺……苺大福……食べる?」 雛「え!?うにゅー!?」 雛苺の目つきが変わる。 薔薇水晶はそっと雛苺の前に一箱の苺大福をおいた。 銀「そんなにどうしたのぉ?」 薔「……外の……コンビニで……」 紅「あら?薔薇水晶、あなた手の中に……」 薔「これはシュウマイ」 薔薇水晶の手の中には、やはり一箱のシュウマイ。 薔「苺大福と……シュウマイを……セットで買うと……ついてくる」 そういって薔薇水晶が手のひらから見せたものは。 紅「くんくんのキーホルダーなのだわ!!」 銀&雛「そんな馬鹿な(ぁ なの)」 ヤクルトをちびちび飲む水銀燈と苺大福をがつがつと食べる雛苺。 紅「薔薇水晶、今すぐそれを渡すのだわ!!」 薔「……いいよ……真紅がもう一つを……当ててきたら……交換」 そういうと薔薇水晶は袋の中からチラシを見せる。 そこにはこう書かれていた。 『今月の目玉企画!! シュウマイと苺大福をセットで買った人に なんとレアなキャラクターキーホルダーがついてくる!! 今月のキャラクターはくんくんとアッガイだ!』 銀 雛 紅「それこそそんな馬鹿な(ぁ なの なのだわ)」 真紅はコンビニへ駆け込んだ。 紅「シュウマイと苺大福……セットでください」 店員「申し訳有りません、キャンペーンの賞品が先程切れまして……」 その瞬間、真紅は凍りついた。 紅「次はいつ入荷するのだわ!?」 店員「ひっ!? あれは在庫がなくなり次第終了とさせていただく……」 店員は真紅の後ろに見える怒りのオーラにおびえるしかなかった。 店員「すいませんすいませんすいませんすいま(ry」 そのとき、外から小学生の男の子の声が聞こえた。 小A「げぇ~!アッガイかよ~、くんくんがよかったのによ~」 小B「お前くんくん目当てでセット買ったんだろ?ついてねーなー」 小A「ホントだよ……、いらないし捨てよ……」 その瞬間、その小学生の手を真紅がつかんだ。 紅「あなたたち、そんなことしたらキーホルダーが可哀想なのだわ」 小A「あ~、ローゼンメイデンのおねーちゃんだ!」 小B「サイン頂戴~」 紅「あら、いいわよ?」 条件反射で小学生が出してきた色紙にサインする真紅。 今時の小学生は色紙を持ち歩いているのだろうか……。 紅「で、そのキーホルダー渡してくれないかしら」 小A「そうだな~、ローゼンメイデン全員のサインと交換でいいよ」 小B「お姉ちゃんがほしがってるんだから、ギブ&テイクだね」 紅「あら、今捨てようとしていたのは誰なのだわ?」 小A「アッガイは嫌いだけどサインがもらえるなら良いと思うんだよね」 ハタから見たらサインをせがむ小学生。 しかしこの時点で彼らは重大な過ちを犯してしまった。 薔「……君達……」 そう、後ろに立っている薔薇水晶に気づかなかったこと。 小A「あ、キーボードのおねーちゃんだ!」 小B「サイン頂戴~」 薔「君達……」 そしてもう一つの過ちはずばり、 薔「私の前で……アッガイを悪く言って……生きて帰れると……?」 薔薇水晶の前でアッガイを否定したことだ。 薔薇水晶は手に水晶の剣を、後ろに杖をもったラプラスを従えていた。 小学生はなす術もなく(それでも怪我しない程度に)痛めつけられた。 ラ「やれやれ、トリビュアル」 薔「……敗因はただ一つ……てめーは俺を怒らせた……」 きめポーズをとりながら、律儀に色紙にサインをする薔薇水晶。 薔「はい……サイン……頼まれたら書くのが……薔薇乙女クオリティー」 そんなクオリティーいつ決まったんだ……? 紅「そのキーホルダー、もらえるかな?」 小A「どうぞ……」 全く外傷はなく、しかし痛みがある攻撃を受けた小学生は正しい選択をした。 紅「薔薇水晶、交換なのだわ」 薔「うん……はい……」 こうして両者はそれぞれ自分の手に入れたいものを手に入れたのだった。 * 翠「オメーら、またせたですぅ!!」 蒼「やっと終わったよ」 スタジオから翠星石と蒼星石、ついでに金糸雀が出てくる。 金「ついでって、なんでかしら!!!」 蒼「? 誰に喋ってるの?」 金「な……なんでないかしら……それより真紅聞いてほしいかしら~」 紅「どうしたのだわ?金糸雀」 金「翠星石がなかなかレコーディングを終わらせてくれなかったかしら~」 翠「いきなり何をいいだすんですか、このバカリア!!」 金「バカリアじゃないかしら!!蒼星石の録音邪魔したくせに!!」 銀「どういうことぉ?」 蒼「あぁ、それがね、僕の台詞を録音してるときに翠星石が乱入してきて……」 翠「あれは……翠星石だって蒼星石とデュエットしたいですぅ……」 蒼「そんなどこぞのカップルじゃあるまいし……」 紅「あら、貴方達はお似合いのカップルだと思うのだわ」 薔「……結ばれる……運命……」 蒼「そんな、薔薇水晶まで……」 ちょっと引き気味な蒼星石。 銀「でもぉ、それくらいじゃココまで時間掛からないわよねぇ」 金「それも翠星石が無駄に何テイクも取り直さなければ……」 翠「それを言えば蒼星石だって!!」 金「蒼星石は10テイクかしら、あなたは25テイクもかかったかしら……」 蒼「え、そんなに録ってたの!?」 どうやら一緒に居た蒼星石まで気づかなかったようだ。 翠「まぁ、レコーディングが終わったわけですし、どこか喰いに行くです」 金「調子にのりまくりかしら~」 雛「そもそもこんな時間までかかったのは翠星石のせいなの!!」 翠「何か言ったですか?このオバカ苺!!」 雛苺の頬を引っ張る翠星石。 雛「いはいほ~(いたいの~)」 全力で抵抗するも無駄無駄ァ!な雛苺。 銀「…(話題を変えなきゃぁ)…でぇ、アナタは何が食べたいのぉ?」 雛苺を哀れんで助け舟を出す水銀燈。 雛苺の頬を離して振り向く翠星石。 翠「ずばり焼肉です!」 蒼「えぇ~、この間も焼肉だったじゃないか」 雛「その前も焼肉なの~」 そう、翠星石にこの質問をすると必ず焼肉と返ってくる。 金「翠星石は焼肉以外思いつかないのかしら?」 翠「うるせーです!疲れた体にはタンパク質が必要なのです!!」 紅「そんなこと言いながらあなたはいつもビールを飲むのだわ」 お酒は二十歳になってからでお願いします。 銀「そんなこと言ってもぉ……、薔薇スィーも何か言ってあげて?」 金「そうかしら、薔薇しーはなにがたべたいかしら?」 全員の顔が薔薇水晶に向けられる。 その中、薔薇水晶は淡々とこう答えた。 薔「……ジンギスカン……」 全員「大差ねーwwwwww」 (3)へ戻る/長編SS保管庫へ/(4)へ続く